前のブログ「打設」の工程からひとつ前に戻りますが、RC打込みのための型枠建込について説明したいと思います。「GS外断熱パネルを型枠に使うのでコンクリート打設(打込み)と同時に外断熱パネルが取付けられる」とはこれまでにも何度か書いてきました。写真は型枠としてGS外断熱パネルを建て込んでいくようすで、見えているのはパネルの打込み面側です。打込み面側は断熱材の「カネライト」で、打設後は鉄筋コンクリートの躯体に密着して見えなくなります。また、コンクリート打放し壁の特徴ともいえる「セパ穴」になる、固定用の棒が通る穴も見えます。
GSパネル建込のあとは、鉄筋コンクリートの配筋を行い、次に室内側の型枠の建て込みを行います。
この人たちは炭坑を掘っているのではありません。工事中のGSコンソーラ新堀の内部で、コンクリート打設(打込み)にあたり型枠を木槌で叩いているのです。コンクリートが型枠内のすみずみまでゆきわたり、コンクリート壁面に気泡などができないように、美しく仕上がるように、振動を与えているのです。もちろん、コンクリートを流し込んでいる側でも、棒でつついたり、バイブレータで振動を与えたりしています。でも同時に、こうやって多人数でコンクリートの堆積に合わせて型枠にコンクリートが密着するように木槌で叩くのです。打設の現場はまるで戦場のようになると、前に書きましたが、まさに建物内部で汗だくになり、美しく仕上がるよう祈るような気持ちでみんなで型枠を叩くのです。
写真はコンクリート打設(打込み)にあたって、先にコンクリートの配合を試す試験体を確認しているところです。これが出来上がったコンクリート住宅の質を左右する訳ですから、先のブログでも取り上げた通り、セメントと水を含む他の含有物との調合は、建物の大きさ(打込むコンクリート壁面の体積)や気候などを考えて、打設するその場で最適なものを試験します。調合の割合やできた試験体に要求される数値にはきちんとした基準が設けられていますが、経験が大切なところもあります。日本ハウス株式会社は40年にわたってコンクリート製品を製造してきましたが、その長年の知識と経験をもとに、コンクリート打設に携わってきた職人が腕によりをかけて、むらなく型枠内に打設でき、なおかつ堅くて丈夫なコンクリートを調合します。
写真はGSコンソーラ新堀のコンクリート打設(打込み)のようすです。流し込むコンクリートは当然ながら流動体ですが、時間の経過とともに徐々に固まっていきます。できあがったコンクリートの強度が最良のものとなるように、現場で試験体をつくり、水も含めたコンクリートの原料の配合を決めますが、気温や湿度によって固化するまでの時間は微妙に変わります。そのため、狭い型枠の中にきちんとコンクリートが一定の密度でゆきわたるように、棒でつついたり、バイブレータで振動を与えたりして、打設の現場は何人もの人がよってたかってまるで戦場のような慌ただしさになります。
写真は、建物の屋根裏にあたる部分で、緑のテープが貼ってあるのが型枠に使われた外断熱GSパネルです。
工事現場の様子など、GSコンソーラ新堀の写真集をご覧ください。
GSコンソーラ新堀の「コンクリート打ち放しの壁」には落ち着いた光沢がありますが、これは塗装によるものではありません。コンクリート打込みの際に使用した型枠材表面の平滑な肌合いがコンクリート壁に転写されたものなのです。石膏で型取りしたことがある方はおわかりになると思いますが、もしも木目のある板を使ったならば、木目のある打ち放し壁になるわけです。ここにも、外断熱RC造住宅ならではの様々な可能性が眠っていると思います・・・内断熱住宅では打ち放し壁面の美しさを楽しむことはできませんから・・・。
写真は書斎"DEN"ですが、木枠を使わずサッシを直づけした窓やシンプルな書棚と打ち放し壁が相俟って落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
コンクリート打ち放し壁面に対してスチール製の家具はとてもよく似合います。写真はエントランス近くに配した螺旋階段を下から見上げたものです。上には外光を取り入れる天窓が見え、直線的な壁面と螺旋階段の曲線が、構成絵画のような美しさを描き出しています。GSコンソーラ新堀のデザインは、コンクリートと鉄とガラスによる近代建築美の遺伝子を次いでいます。
さらにGSコンソーラ新堀には、RC造の躯体をGSパネル(外断熱材)で覆うという新技術を施し、「コンクリート打ち放し住宅」にこれまで以上の「住み心地の良さ」を実現しました。
「近代建築の持つ機能的な美しさ」と「住み心地の良さ」の調和、GSコンソーラの挑戦は始まったばかりです。
第1回新堀フォーラムの最後には、坂本杏苑さんのひと文字「想」のまわりに参加者で寄書きを書きました。「想」には、家に寄せる想い、車に寄せる想い、家族に寄せる想い、人生に寄せる想い など、参加された方々の夢や希望をのせていただきました。寄書きされる時は(久しぶりの?)書に少しばかり緊張されながら、しかし楽しそうに言葉を寄せてくださいました。ありがとうございました。
ところで、坂本杏苑さん画の2009年カレンダーが10月より発売されるそうです。250部限定だそうです。詳しくはhttp://atelierkyo.web.fc2.com/index_an.html(アトリエ杏)をご覧になってください。
8月20日のブログで「書画を飾る」と書きましたが、正しくは「墨象画」でした。周南市に在住の坂本杏苑さんは、薄い宣紙に松煙墨・油煙墨をのせ、自然の経緯に任せながら、作品を創りあげていく楽しみを感じながら、墨による抽象表現を制作されています。お話しによれば、宣紙とは墨の濃淡の変化を表現することに適した中国産の画仙紙で、そこに落とした墨のしずくがにじみ広がり、そうしてできた模様をもとに、さらにイメージを膨らませながら描いていかれるのだそうです。禅画の世界に通じるものだと思いました。
坂本杏苑さんのHPアトリエ杏はhttp://atelierkyo.web.fc2.com/index_an.html
坂本さんの作品は10月4日までGSコンソーラ新堀に展示しています。
皆さんは「帰ることが楽しくなる家」をお持ちですか?ちょっと前なら「癒される家」だったと思います。ホッと落ち着いて風呂に入ったりテレビをみたりして心のリフレッシュ・・・私たちはもう少し進んで、心をリフレッシュするなら自分だけの愉しみを持ち、それに熱中することで「エンパワーメントされる」・・・そう、つまり「癒される」だけでなく「エンパワーメントされる」家が私たちの目指す家です。「よし、これから家に帰って○○しよう」、お父さんはもちろん、お母さんも、子供たちも・・・例えば、お父さんは愛するクルマを愛でながら、お母さんはキッチンでおいしいお菓子をつくりながら、子供たちは趣味に取り組みながら・・・明日への活力を蓄える。テレビをみながら、シャワーを浴びながらでも構わないのです。住まいでの生活を十二分に楽しんでいただきたいと、私たちは願っています。
GSコンソーラでは、デザインにあたり、できるだけプレーンな(=飾らない、味付けをしない)イメージの外装・内装にすることを考えています。もともと外断熱施工で内断熱を行わないGSコンソーラですから、内断熱を覆う石膏ボード(プラスターボード)や壁紙を使う必要も無く(もちろん使っていただいても全く問題ありません)、特に「コンクリート打放し風」などと断らなくてもRC造の躯体をそのままでご利用いただけるのです。
私たちはGSコンソーラだからこそ可能となった外装・内装の状態をデザイン上のアドバンテージ(有利なポイント)として生かすことを考え、敢えて華美な装飾を排した「シンプル」で、都会的な「モダン」なデザインと考えました。
誤解しないでください。「飾り気が無い」のではありません。また、私たちは安易に「シンブル・イズ・ベスト」などと言いたいのではありません。皆様のお考えで飾っていただいて結構なのです。一般に考えられる壁紙などの内装も可能ですが、独創的な「屏風」や「額装された標本」などもインテリアとしてマッチすると考えています。
(写真は1階の「子供部屋予定」の部屋です)
私たちが「外断熱」に注目したのは、「快適な住空間をつくりたい」という思いとともに、「住宅の寿命を長いものにしたい」という目標がありました。30年前は最新の住宅だったに違いない住宅が、今では歪んだ梁にカビっぽい不快な臭い・・・。住む人以上に老化の激しい住宅でよいのか?せめて建てて百年はその構造を維持できる家でなくては・・・現在の「環境保護」「持続可能な社会づくり」という考え方にあてはめるるならば、スクラップ・アンド・ビルド(壊しては建てる)という資源消費型の住宅はもうやめにして、これからは資源保護型長寿命住宅がスタンダードになるにちがいないと確信したのです。
今では、RC造に限らず、木造でも鉄骨造でも外断熱(外張り断熱)を施すようになりました。住宅の躯体(構造体)を劣化から守るには外断熱が有効であり、それにまつわるノウハウもこの十年間でかなり洗練・熟成されてきたように思います。
私たちはさらに、外断熱を施す外断熱材の耐久性を考え、選んだのがGRCです。耐ガラス繊維を補強材に使い、プレキャスト法で造られたコンクリートですから、外装材としては最強の部類だと考えます。
もしもあなたが「長持ちする家」を求めるならば、それは「GSコンソーラ」だと、私たちは自信をもってお応えします。
「GSコンソーラ」は外断熱を施した住宅です。主たる躯体はRC造(鉄筋コンクリート)で、その表面に、GRC(耐アルカリガラス繊維強化セメント)と断熱材(押出発泡ポリスチレン)による外断熱外装材「GSパネル」を取り付けています。特に山口県周南市新堀に建設した「GSコンソーラ新堀」では床下も含めて全面、RC造の躯体を外断熱材で包み込んでいます。
コンクリート住宅につきまとう「夏暑く冬寒い(冷たい)」イメージは、コンクリート建材の性質である「熱容量が高い&熱伝導率が高い」に起因しているわけで、例えばRC造で外面・内面ともにコンクリート打放しの家ともなれば、住むにはかなりの覚悟が必要になるでしょう。私たちは、快適な居住空間とするためには「熱しにくく、冷めにくい」住宅(躯体)を実現することが重要であると考え、それには外断熱が最も有効であると考えました。つまりGSコンソーラではRC造の躯体の外側に断熱材があり、それを保護するようにGRCの外装があるのです。外気や太陽光のためにGRCの外装材は暑くなったり冷たくなったりしますが、断熱材が躯体に伝わる温度に干渉します。その結果、室内環境に直に接している躯体は「熱しにくく、冷めにくい」ものとなり、空調の効果も最大限に生かせるようになります。
GSコンソーラ新堀は内側に断熱材を使用していませんが、GSパネルによる外断熱で十分だと考えています。GSパネルを使用することで可能になった「快適なコンクリート打放し住宅」であり「シンプルモダンなデザインの住宅」だと自負しています。
家をつくる素材にも、建て方にも、それぞれ長所と短所がつきものです。そして多くの場合、長所が短所となり、短所が長所となっているように思います。家をつくる際には、長所だけの家というのも難しい話で、沸き上がってくる課題や問題とどこかで折り合いを付けていかなくてはならないでしょう(もしかすると高機能な家ほど不便なのかも知れません)。私たちは短所のない家などないと思います。むしろ、短所をしっかりと理解していただくことが大切だと考えます。だからこそプランニングは、設計者に任せきりにするのではなく、施主自ら積極的に本を読み他者の話を聞くなどして、じっくり腰を据えて納得できるものを考えたいものです。よくよく考えて欠点も考慮に入れて建てた家ならば、長所も短所もひっくるめて愛せるようになるのではないでしょうか。(写真は、GSコンソーラ新堀の南側面)
日本では、木造住宅に対して「日本の気候に適した木造住宅」「日本人が慣れ親しんだ家」「人に優しい住まい」というイメージが定着しているように思います。一方コンクリート住宅には、戦後の工業化と高度経済成長期の都市化などのマイナスイメージ(例えば、コンクリートジャングルとか)が投影されているのか、「人に優しくない住まい」のイメージがつきまとっているように思います。また、「偏見」を煽るような情報も多いように思います。
実際にコンクリート住宅に住んでみると、確かに「熱容量や熱伝導率による課題」はあると感じますが、断熱法や空調のおかげで、住み心地の悪さというのはさほど気になりません。・・・もちろん、外断熱が施されていない単なる打放しコンクリートの家では、室内環境は厳しいものになると思います。しかし、一般に言われているコンクリート住宅の問題点の多くは、設計・施工時にきちんとした確認や対応策をとっていないために起きたことだと考えます。(写真はGSコンソーラ新堀の北東側面)
この寝室のドア、かげにいる人の姿と比べて、通常よりも大きなものだとわかっていただけるでしょうか。このように大きなドアをしつらえることになったのは、寝室からリビングへ通じる開口部を床から天井まで大きく開けたデザインとしたからでした。つまり、普通のドアをつかえば、ドアの上辺から天井までに遮蔽物(垂壁)を設けることになり寝室からリビングへの一体感が欠けてしまい、ドアを開けたときの大きな空間感とのびのびとした開放感が失われてしまうのです。
でも、難しいのはその大きなドアをつくること。突板をつかえばさほどでもないのでしょうが、ここでは、先にとりあげたステンレスキッチンと同様、経年変化が「愛着」につながる(使うほどに渋みが増してくる)ものとなるように敢えて「無垢の木」にこだわったのです。こんなことがまかせられるのは、木の扱いに慣れた、また、良い材料を蓄えている、木工店さんです。
GSコンソーラ新堀の企画にあたっては、前のブログでおはなししたとおり経年変化の少ない落ち着いた空間を創出するために、余計な装飾を省いたデザインを考えました。壁と天井が交差する箇所や窓枠など、様々なところでシンプルな美しさを追求し強調しています。というのは簡単ですが、工務を進める上ではなかなか創意工夫が要求され、苦労の積み重ねになったところでした。この苦労話は後のこととして、GSコンソーラ新堀ではこのシンプルさがむしろ「エッジをたてたデザイン」となっていると自負しています(「エッジをたてる」・・・建物の角がとんがっているというわけではありません、「とんがった=刺激的で挑戦的な、または先進的な」という意味にとってください)。よいデザインには、伝統を踏襲しながらも、見る人を挑発し刺激し惹き付けるものがあるといいますが、住まいのデザインにあたって、私たちはそれを意識しています。
私たちは「住まいのデザイン」を、施主様と設計者・施工業者がともに住まいを創りあげていくプロセスだと考えています。デザインとは決して表面をとりつくろうような軽薄なものではありません。またデザインだけが先行するような住まいがよいとも思っていません。大切なことは、施主様の思いが結実すること。しかしそれは決して安易なことではないこともよくわかっているつもりです。宅地面積や価格など、折り合いを付けなくてはならない問題も山積みです。しかし、施主様の思いや願い、私たちの家づくりに対する考え、そして価格・・・求められる様々な条件を試行錯誤しつきつめていくと、そこに美しさと機能を兼ね備えた、その家にふさわしい世界にただひとつの「住まいのデザイン」が創造されるのではないでしょうか。
GSコンソーラ新堀は基本的にRC造(鉄筋コンクリート)なのですが、美観を高め、居住性と耐久性を高めるために「GSパネル」という外装板を使っています(写真はコンクリート打設時のGSパネルの様子)。このGSパネル、日本ハウス株式会社の自慢の製品です。フラットでクールな美観をもつパネルの表層は強固なGRC(対アルカリガラス繊維を補強材に入れたコンクリート)で、その下には発砲ポリスチレンの断熱層を持つ、優れた建材なのです。これが、RC造の建物につきものの蓄熱効果を改善し快適な居住空間をつくりだすとともに、雨や気温の変化によるRCの躯体の老朽化を防ぎ耐久性を高めるのです。
(詳しくはhttp://www.g-shield.co.jp/をご覧ください)
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
| 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
| 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
| 29 | 30 |
最近のコメント